同居していた故人の介護について寄与分が認められた事例

分類相続・寄与分
業務の内容遺産分割調停・寄与分の主張
ご依頼者の立場故人の子
相続人弟(ご依頼者)、姉
担当弁護士加藤貴紀

ご相談内容

介護の負担をめぐる見解の相違

鈴木様(仮名・弟)は、長年にわたって母親と同居しながら介護を続けてきました。

しかし、母親が亡くなった後の遺産分割協議において、姉から「法定相続分どおりに分けるべきだ」「介護をしていたけど、その代わり家にお金を入れていなかった」と主張され、話し合いが進まないとのことで当事務所にご相談に来られました。

寄与分の主張をするため弁護士に依頼

鈴木様は、母親が要介護状態となった約3年前から、仕事をしながらも日常的な介助・通院の付き添いなどを献身的に行っており、その間、姉はほとんど介護に関与していませんでした。

にもかかわらず、姉は「介護は同居していれば当然のことだ」「特別な貢献とは言えない」と主張し、寄与分を一切認めようとしませんでした。

鈴木様は以下のような疑問をお持ちでした。

  • 同居して介護をしていたことは、法律上「寄与分」として認められるのか?
  • 寄与分が認められる場合、具体的にどのくらいの金額になるのか?
  • 姉が話し合いに応じない場合、どのような手続きを取ればよいのか?

当事務所は、鈴木様からお話を伺った結果、介護の内容・期間・頻度などを踏まえると寄与分が認められる可能性が十分にあると判断しました。

そこで、①介護実績を裏付ける証拠の収集、②寄与分の具体的な金額の算定、③遺産分割調停の申立て、という対応を提案し、ご依頼を受けることになりました。

ご依頼後の対応

寄与分を証明するための書類収集や計算

ご依頼後、当事務所は寄与分を立証するための証拠収集に着手しました。

具体的には、母親の介護保険の認定記録・ケアマネジャーの支援経過記録・通院先の医療機関の診断書・介護日誌(鈴木様にご協力いただいて作成)などを収集・整理しました。

これらの資料により、鈴木様が約3年間にわたって継続的かつ専従的に介護を行っていた事実を客観的に裏付けることができました。

次に、寄与分の金額を算定しました。実務上よく用いられる計算方法として、「介護報酬基準額を用いた算定方式」があります。本件では、介護に要した日数・時間・介護の難易度(要介護度)などをもとに算定した結果、寄与分として相当程度の金額が認められる見通しとなりました。

遺産分割調停の申立てで解決

その後、姉との任意の協議は困難と判断し、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てました。

調停の場において、収集した証拠資料を提出しながら鈴木様の貢献を丁寧に主張した結果、調停委員会も寄与分の存在を認める方向で調整を進めてくれました。

最終的に、姉も寄与分を認める内容での合意が成立し、鈴木様は法定相続分に加えて寄与分相当額を上乗せした形で遺産を取得することができました。

解決のポイント

ポイント① 介護の実績を客観的に証明する証拠を収集したこと

寄与分の主張において最も重要なのは、「どれだけ介護をしたか」を客観的に証明できるかどうかです。「同居していたから介護していた」という主張だけでは、相手方や調停委員を説得することはできません。

本件では、介護保険の認定記録やケアマネジャーの記録といった第三者が作成した公的な資料を収集できたことが、寄与分の立証において非常に有効に機能しました。

介護に関わっている方には、日頃から介護日誌をつけておくこと・領収書などの記録を保管しておくことを強くおすすめします。こうした日常的な記録の積み重ねが、後の相続手続きで大きな力を発揮します。

ポイント② 早期に法的手続き(遺産分割調停)に移行したこと

相続人間の話し合いが感情的なもつれを伴う場合、当事者同士での解決は非常に困難です。本件においても、姉は当初から感情的になっており、任意の協議での解決は見込めない状況でした。

そこで当事務所では、早い段階で遺産分割調停の申立てに踏み切りました。

調停手続きでは、公平な立場である調停委員が双方の主張を整理し、法的な観点から解決案を提示してくれます。感情的な対立が続いている場合や、相手方が話し合いに応じない場合には、調停という公的な場を活用することが早期解決への近道となります。

相続問題でお困りの際は、できるだけ早期に弁護士にご相談されることをおすすめします。

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