遺産分割トラブルの解決方法とは?相続が発生した場合の対処法を弁護士が解説

相続が発生し、遺産分割をしなければならないのに、相続人の間で意見がまとまらず困ってしまうことはよくあります。

遺産分割におけるトラブルは、適切に対処しないと家族関係を悪化させ、長期化すると精神的・経済的な負担が大きくなってしまいます。

このようなトラブルに伴う負担は、弁護士にご依頼いただくことで大きく減らすことができます。

この記事では、遺産分割トラブルでよくある問題から適切な対処法、弁護士へ相談するメリット、名古屋での弁護士選びのポイント、解決までの流れについて詳しく解説します。

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1. 遺産分割でよく発生するトラブル

遺産分割では、さまざまな問題が発生します。相続人の数が多いほど、また相続財産が複雑であるほど、トラブルに発展する可能性が高くなります。

ここでは、実際によく起こる遺産分割のトラブルについて、具体的な事例を交えながら解説します。

1.1 相続人同士で意見が対立した

相続人の間で意見が対立することは、遺産分割トラブルの中でももっとも多く見られる問題です。

法定相続分通りに分けるか、それとも異なる分け方にするかなどで対立することが頻繁にあります。

1.1.1 法定相続分と異なる分け方

民法では、相続が発生したときに各相続人が遺産を取得できる割合(法定相続分)が決められています。たとえば、配偶者と子がいる場合は配偶者が2分の1、子が残りの2分の1を均等に分けることになります。

しかし、実際には「生前に故人の世話を頑張ったから」「長男だから」「お金に困っているから」といった理由で特定の相続人がたくさん遺産を受け取るようにしたいという意見が出ることがあります。

このような場合、他の相続人から「法定相続分通りに分けるべきだ」という反対意見が出て、話し合いがまとまらなくなります。

1.1.2 寄与分や特別受益の主張による対立

ある相続人が生前に故人の介護をしていたり、生前贈与を受け取っていたりすると、特別受益や寄与分の問題が発生することが多いです。

寄与分とは、故人の財産の維持や増加に特別に貢献した相続人が、法定相続分に加えて受け取れる制度のことです。

特別受益とは、生前贈与や遺贈を受けた相続人の相続分を減らす制度です。

制度よくある例
寄与分介護
家業の手伝い
金銭的支援
特別受益住宅購入資金
結婚費用
学費の支払い

これらの主張があると、相続人間で「そんな貢献はしていない」、「贈与ではなく借金だった」といった反論が出て、遺産分割がまとまらなかったり、感情的な対立に発展したりすることがあります。

1.2 故人が遺言書を作成していた

故人が遺言書を作っていても、その内容や有効性をめぐってトラブルが発生することがあります。遺言書の存在によってかえって相続人間の関係が悪化するケースも少なくありません。

以下のようなケースでは相続人の間で争いに発展することが多いです。

1.2.1 遺言書の有効性に疑いがあるケース

自筆証書遺言の場合、書き方に不備があったり、作成時に故人の判断能力に問題があったりすると、遺言書の有効性が争われることが多くなります。

故人の認知症が進行していた時期に作成された遺言書や、故人の筆跡かどうかが疑わしい遺言書などが問題となります。

1.2.2 遺言書の内容に不満があるケース

遺言書が有効であっても、その内容に納得できない相続人がいる場合にトラブルが発生します。

特に、一部の相続人だけが多く相続する内容や、相続人以外に遺産を受け取らせる内容が含まれている場合に問題となりやすいです。

1.2.3 複数の遺言書の存在

複数の遺言書が作られていた場合、重複する内容については新しい遺言書の内容が優先されます。そのため、どの遺言書が最新で有効なものかを判断する必要があります。

日付の確認や内容の整合性を検討する中で、相続人間の意見が分かれることがあります。

1.3 不動産の分け方が決まらない

不動産は現金と異なり、物理的に分けることが難しい財産です。不動産の分割方法をめぐる争いは、遺産分割トラブルの中でも特に複雑になりがちです。

遺産に不動産があるときにトラブルが起こりやすい理由は以下のとおりです。

1.3.1 現物分割の困難さ

土地を物理的に分割する現物分割は、面積や立地条件によって価値が大きく変わってしまうため、公平な分割が難しいです。また、建物がある場合は、土地を現物分割することができないこともあります。

そのため、誰が不動産を取得するかなどで争いに発展することがよくあります。

1.3.2 代償分割での評価額争い

遺産が不動産しかないケースにおいて、不動産を単独で取得した相続人が他の相続人に対して金銭を支払うという分け方をすることがあります。これを代償分割といいます。

代償分割では、不動産の評価額をいくらにするかによって代償金の金額が変わってくるため、不動産の評価額で争いになることが多いです。

不動産の評価方法がいくつも存在することが争いの原因となります。不動産の主な評価方法は次のとおりです。

① 固定資産税評価額
固定資産税を計算する前提となる不動産の評価額

② 相続税路線価
相続税の計算をする前提となる不動産の評価額

③ 不動産鑑定士による鑑定評価
不動産鑑定士が行った鑑定の結果算出された不動産の評価額

④ 実勢価格(時価)
実際の不動産の価格

同じ不動産でも評価方法によって価格が大きく異なるため、どの評価額を採用するかで対立が生じます。

1.3.3 換価分割での売却条件争い

遺産の不動産を取得した相続人がいないときは、不動産を売却してその売却代金を分けるという分け方があります。これを換価分割といいます。

換価分割でも、売却価格や売却時期、仲介業者の選定などで意見が分かれることがあります。急いで売却したい相続人と、できるだけ高く売りたい相続人との間で対立が生じることがあります。

1.4 相続人の遺留分が侵害されている

遺留分とは、一定の相続人に保障された最低限の相続分のことです。遺留分を侵害する遺言書や生前贈与があった場合、遺留分侵害額請求権を行使してトラブルに発展することがあります。

1.4.1 遺留分侵害額請求の対象となりうるケース

以下のようなケースでは、遺留分侵害額請求をできる可能性があります。

  1. 特定の相続人にすべての財産を相続させる遺言がある
  2. 相続人以外の人に遺産の大半を遺贈する遺言がある
  3. 生前に特定の人への多額のお金を贈与していた
  4. 配偶者への居住用不動産を贈与していた

1.4.2 遺留分の計算方法をめぐる争い

遺留分侵害額の計算は複雑で、さまざまな要素を考慮する必要があります

そして、遺留分侵害額を計算するうえで、財産の評価額や贈与の範囲について争いが生じることがあります。

1.4.3 遺留分侵害額請求の時効問題

遺留分侵害額請求権は、相続開始から10年、または相続の開始と遺留分を侵害する贈与または遺贈があったことを知ったときから1年間行使しないと時効によって消滅します。

この時効の起算点をめぐって争いになることもあります。

2. 遺産分割トラブルを弁護士に依頼するメリット

遺産分割で相続人間にトラブルが生じた場合、弁護士への依頼は単なる法的手続きの代行以外にもさまざまなメリットがあります。

専門的な知識と経験を持つ弁護士のサポートにより、複雑な相続問題を適切に解決できます。

2.1 法的観点から適切な解決策を提案

遺産分割協議を弁護士に依頼する最大のメリットは、法律の専門家として正確な判断と解決策を提示できることです。相続法は複雑で、一般の方が正しく理解することは困難なことが多いです。

弁護士は主に以下の分野において専門知識を活用して適切なアドバイスを行います。

専門分野具体的なサポート内容
相続法の解釈・適用法定相続分や遺留分の正確な計算など
遺言書の有効性形式要件や内容の解釈など
財産評価不動産や株式などの適正な価値算定など

また、判例や過去の事例を踏まえた現実的な解決策を提案できるため、依頼者にとって最善の結果を目指します。

2.2 感情的な対立を避けた冷静な交渉

親族の間で発生する遺産分割トラブルでは、感情的な対立が原因で問題解決が難しくなることがよくあります。このようなときは、相続人同士が直接やり取りをすると精神的に大きな負担となってしまいます。

弁護士が間に入ることで、客観的で冷静な話し合いの場を作ることができます。相手方と直接やり取りをする必要がないため、相続人間で感情的な対立が大きくなっているケースでも、精神的な負担を小さくすることができます。

2.3 複雑な手続きを代行

遺産分割に関する手続きは複雑なため、一般の方には大きな負担となります。弁護士に依頼することで、相続に関する煩雑な手続きを幅広く代行してもらえます。

弁護士に依頼すれば以下のような業務を代行してもらうことができます。

① 戸籍などの収集
戸籍などを取得して相続人を確定します。

② 財産調査
預貯金、不動産、有価証券などの詳細を調査します。

③ 遺産分割協議書の作成
後日紛争が再燃しないように有効かつ適切なものを作成します。

④ 調停、審判の対応
申立て準備のほか、調停・審判の期日対応もします。

専門的な書類作成や役所での手続きを弁護士が代行することで、依頼者の時間と労力を大幅に節約できます。また、手続きの漏れや間違いによるトラブルを防ぐこともできます。

2.4 調停や審判での専門的サポート

遺産分割協議が成立しない場合、家庭裁判所での調停や審判手続きが必要になります。これらの手続きでは、法的な専門知識と豊富な経験を持つ弁護士のサポートが不可欠です。

調停・審判での弁護士の役割は次のようなものがあります。

  1. 申立書の作成と必要書類の準備
  2. 法律や過去の裁判例に基づいた主張立証
  3. 相手方の主張に対する適切な反論
  4. 和解案の検討と交渉戦略の立案
  5. 審判移行時の証拠収集と法的主張の整理

特に調停では、調停委員に対して説得力のある主張を行うことが解決の鍵となります。弁護士は豊富な経験から、どのような主張が効果的かを熟知しており、依頼者にとって有利な結果を導き出すことができます。

また、審判に移行した場合でも、証拠の収集・整理から法的主張の組み立てまで、専門的なサポートを受けることで、適正な審判結果を得ることが期待できます。

3. 遺産分割トラブル解決の流れ

遺産分割のトラブルが発生した場合、弁護士に依頼してから最終的な解決まで、いくつかの段階を経ることになります。それぞれの段階での手続きや期間を理解しておくことで、見通しを持って問題解決に取り組むことができます。

遺産分割トラブルの解決までの大まかな流れは以下のとおりです。

3.1 弁護士への相談から契約まで

遺産分割でトラブルが生じた場合、まずは初回相談で現状を正確に伝えることが重要です。

相談するときは、可能であれば相続関係を示す戸籍謄本、通帳や不動産登記などの遺産に関する資料、遺言書、これまでの話し合いの経緯をまとめた資料を持参することをおすすめします。そうすることでスムーズに打ち合わせが進みます。

3.2 相続人との交渉段階

弁護士が代理人となった後、まずは他の相続人に対して受任通知を送付します。この通知により、今後の連絡は弁護士を通じて行うことになります。

受任通知を送った後は以下の流れで手続きを進めていきます。

① 相続財産の調査と評価
金融機関などに問い合わせをして資料を取得します。

② 戸籍などの取得
相続人の範囲や相続分を確認します。

③ 分割方法の提案と協議
依頼者の希望を相手方に伝えて分割方法の交渉をします。

④ 合意に向けた調整、遺産分割協議書の作成
最終的に合意ができたときは、遺産分割協議書を作成します。

話し合いでは解決できない場合や、相手方が交渉に応じない場合は、次の調停手続きに進むことになります。

3.3 家庭裁判所での調停手続き

話し合いで解決できない場合、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てます。調停は中立的な調停委員が間に入って話し合いを進める手続きです。

調停では、調停委員が各相続人から個別に事情を聞き取り、合意に向けた調整を行います。調停の期日は1~2ヶ月に1回のペースで開催されることが多いです。

調停において合意が成立した場合は調停調書を作成し、遺産分割協議が終了します。調停で合意に達しない場合は調停不成立となり、審判手続きに移行します。

3.4 審判での最終解決

審判手続きは、家庭裁判所の裁判官が法律に基づいて遺産分割の方法を決定する手続きです。

審判手続きの特徴は次の通りです。

  1. 裁判官が証拠に基づいて判断を下す
  2. 審判が確定すれば法的拘束力を持つ
  3. 不服がある場合は高等裁判所に即時抗告が可能

審判では、必ずしも相続人の希望が反映されるわけではありません。そのため、ある不動産を取得したいと思っていても取得できず、競売による換価分割が命じられることもあります。場合によっては不動産を共有で取得することを命じられることもあります。

審判の期間は、調停不成立から1~2年程度かかることが一般的です。審判書が確定すれば、その内容に従って遺産分割を実行することになります。

なお、審判に不服がある場合は2週間以内に高等裁判所への即時抗告を申し立てることができます。

4. 遺産分割トラブルに強い弁護士の選び方

遺産分割のトラブルを解決するためには、経験豊富で信頼できる弁護士を選ぶことが何より大切です。名古屋には多くの法律事務所がありますが、相続問題に特化した弁護士を見つけることで、より良い結果を期待できます。

4.1 相続案件の実績と経験年数

弁護士選びでもっとも重要なのは、相続分野での実績と経験年数です。遺産分割は一般的な法律問題とは異なり、家族関係や感情的な対立が絡む複雑な分野だからです。

優秀な相続専門弁護士を見分けるポイントは次の通りです

  1. 取扱い案件数
  2. 解決実績
  3. 専門性

特に、家庭裁判所での調停や審判の経験が豊富な弁護士を選ぶことが重要です。書面での交渉だけでなく、実際の法廷での経験があることで、より効果的な解決策を提案してもらえます。

4.2 初回相談の対応と説明の分かりやすさ

相続問題は法律用語が多く、一般の方には理解しにくい分野です。そのため、専門用語を使わずに丁寧に説明してくれる弁護士を選ぶことが大切です。

初回相談では以下の点を確認しましょう。

  1. あなたの状況をしっかりと聞いてくれるか。
  2. 法律的な見通しを分かりやすく説明してくれるか。
  3. 質問に対して丁寧に答えてくれるか。
  4. 今後の進め方について具体的な提案があるか。
  5. リスクやデメリットも含めて正直に説明してくれるか。

良い弁護士は、依頼者の立場に立って考え、メリットだけでなくリスクも含めて正直に説明してくれます。また、相談時間を十分に取って、急がすことなく話を聞いてくれる弁護士を選びましょう。

相談の際は、事前に必要な書類を準備しておくことも大切です。戸籍謄本、遺言書、相続財産の資料などを持参すると、より具体的なアドバイスを受けることができます。

4.3 費用体系の透明性

弁護士費用は決して安くありません。そのため、費用体系が明確で透明性のある弁護士を選ぶことが重要です。

相続に関する依頼をした場合に発生する主な費用は次のようなものがあります。

① 相談料

② 着手金
事件を依頼する際に発生する費用

③ 報酬金
事件が解決した際に発生する費用

④ 実費
交通費、郵送料、印紙代などの実際にかかる費用

⑤ 日当
裁判所への出廷などに伴う費用

費用体系を勘違いしないように、必ず書面で費用について確認することをおすすめします。

4.4 アクセスの良さと相談しやすい環境

遺産分割の問題は解決まで時間がかかることが多く、弁護士との面談も複数回必要になります。そのため、通いやすい立地にある法律事務所を選ぶことも大切な要素です。

5. よつば総合法律事務所が選ばれる理由

5.1 相続チームによるサポート

当事務所には相続に特化した専門チームを設置しています。定期的に開催しているミーティングでノウハウの共有や案件の検討を行うことで、経験豊富な弁護士が依頼者にとっての最良の解決策を見つけます。

5.2 他の専門家との協力によるワンストップ対応

相続が発生したときは、税金の申告や登記などの手続きのために弁護士以外の専門家の協力が不可欠です。

当事務所では、連携している税理士や司法書士、不動産鑑定士と共にワンストップで案件の解決に対応することが可能です。

5.3 アクセス良好な事務所

当事務所は、大名古屋ビルヂング内に事務所を構えています。名古屋駅直結でアクセス良好なため、愛知県内の方だけでなく、三重県や岐阜県の方でも気軽にお越しいただくことができます。

5.4 オンラインでの相談可

親族間の相続のトラブルは精神的な負担が大きいことが多いです。

当事務所は、早急なご相談に対応するため、依頼者の希望に合わせて電話の他にもZoomなどのオンラインでのご相談を受け付けております。

5.5 初回相談無料

当事務所では、相続に関するご相談は初回60分無料で対応いたします。弁護士費用が発生する場合は、事前にお見積りを作成いたします。まずはお気軽にお問い合わせください。

6. まとめ:まずは詳しい弁護士に相談

遺産分割のトラブルは相続人同士の感情的な対立や複雑な法的問題が絡み合うため、専門家のサポートが重要です。名古屋で弁護士を選ぶ際は、相続案件の豊富な実績と経験、わかりやすい説明力、透明な費用体系を重視しましょう。

弁護士に依頼することで法的な観点から適切な解決策を提案してもらい、調停や審判でも専門的なサポートを受けられます。トラブルが長引くほど家族関係の修復が困難になるため、早めの相談が大切です。

また、将来のトラブルを防ぐためには遺言書の作成や生前の話し合いも効果的です。一人で悩まず、まずは相談から始めてみることをおすすめします。

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